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今、俺は中学校の長期休みを使って友達と旅行をしている。
各駅電車を乗り継ぐ貧乏旅行だ。
そして俺の住んでいた町を電車の窓から眺めている。
あれの事故からだいぶ経つ。
俺は一ヶ月ほどで退院して、今は親戚の家で暮らしている。
なぜ親戚の家で暮らしてるかって言うと、親がいないからだ。
親戚の家は俺が住んでいた都市から電車で6時間以上はかかるほど遠い。
事故にあってからしばらくして聞いたんだけど(中学に入って間もない頃かな)
俺は家族と旅行中、交通事故にあったらしい。
その事故で両親は帰らぬ人となった。
そして俺だけ生き残った。
俺は病院に運ばれてから1週間も目を覚まさず、記憶喪失はその事故の後遺症。
その後、3週間で退院した。医者もビックリしてたな。
当時は当然なことだと思っていたが、今改めて考えてみればおかしな話だ。
事故原因は親戚の人も詳しくはわからないらしい。
警察の調べによると交通事故という名目になっていたとのこと。
しかし親戚の人が思うに交通事故ではないんじゃないか?との疑問があったらしい。
事故現場は海岸沿いの道路の緩やかなカーブ。
人通りもすくなく、特に視界をさえぎるものや邪魔になるものがなく
よっぽどのことがない限り事故が起こりにくい場所だったのこと。
当時の新聞などいろいろ調べたが有力な情報は得られなかった。
じゃあ何故あの事故が起きたのか・・・・。
カチャ・・・・。
電車のゆれでネックレスが揺れた。
このネックレスは病院に運ばれたとき俺が握っていたらしい。
もともと誰のかもわからない。
俺のかもしれないし、違うかもしれない。
ただ事故にあったときに握り締めてたくらいだからよっぽど大切なものなんだろう。
「はぁ・・・」
「おい薫、大丈夫か?」
「ん・・・あぁ気にするな。」
と、友達のほうを向こうとしたとき・・・。
ドクンッ!!
「おい!薫!?」
友達が本気で心配しだしている。
だが俺は固まってしまって動けなくなっていた。
あの事故現場が窓から見えたのだ。
その瞬間、心臓がものすごい速さで鼓動し始めたのだ。
ものすごい悪寒を感じた。
事故以来一度も訪れなかったあの場所。
それが近くに・・・・。
俺は次の駅で友達に何も言わず電車から飛び出した。
そして全力疾走してあの場所に向かった。
・・・ここはどこ?
目が覚めたとき僕は知らない部屋で横になっていた。
真っ白な壁で天井も白い。
あれ、おかしいな・・・。
体を起こそうとしたけど体が動かない。
僕の隣から眼鏡をかけたおじさんが僕の顔を覗き込んだ。
「僕の声が聞こえるかい?」
うん、と言い返そうとしたけどなんかうまく声が出ない。
仕方ないから何とか頷いて返した。
よく周りを見てみると眼鏡のおじさんのほかにも人がいっぱいいる。
えーと・・・看護婦さんとお医者さん・・・後は知らない人だ。
あれ?でもどこかであったことがある感じがする。
んー・・・ダメだ、思い出せない。
「ここはどこ?」
「薫ちゃん!大丈夫!?ここは病院よ。ホント無事でよかったわ・・・」
おばさんが僕の顔を覗き込みながら泣いてそんなことを言っている。
病院?
薫ちゃん?僕の友達にそんな名前の子いたっけ?
「よかったわねぇ。薫ちゃん、もう目を覚まさないかと心配したのよ。」
・・・いくら頭の中を探しても「薫ちゃん」は思い出せない。
「ねぇ、おばさん・・・薫ちゃんって誰?僕の友達??」
俺はこのとき自分の名前が「来栖 薫」だと忘れてしまっていたんだ。
そして自分が記憶喪失になったことに気づいていなかった・・・。
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銀雨:花菱 結火
背後:たかゆき
がおくる
あるひと時のお話です